香りの取り出し方 

 精油を作る方法は、様々あります。柑橘類の精油で多く用いられる圧搾法や花から抽出する有機溶剤抽出法、木材などで用いられる水蒸気蒸留法などがあります。それぞれの抽出方法に一長一短があります。
香りの取り出し方

水蒸気・熱水蒸留法/真空減圧蒸留法

蒸留法

LCでは、水蒸気蒸留法(又は熱水蒸留法)を用いて、主に日向夏などの柑橘類から精油を抽出しています。水蒸気蒸留法(減圧蒸留も同様です)では、圧搾法と比べて大きく3つの長所があります。短所は、常圧蒸留では熱に弱い香りが採取できないことですが、減圧蒸留ではこの点は心配要りません。
蒸留仕組み
真空蒸留

保存性  

1つは、圧搾法と比べて不純物を取り除いた綺麗な精油が抽出できることです。柑橘の精油は圧搾法の場合、保存期間は開封から半年以内とも言われていますが、水蒸気蒸留法の場合は酸化以外の要因での劣化が抑えられるため、圧搾法に比べて長期間保管することができます。

不純物フリー

1つは、不純物を取り除くことができる点です。保存性とも関連しますが農薬含む不純物を取り除くことができ安心して使用できます。

光毒性フリー

 また1つは、フロクマリン類を取り除くことができることです。
フロクマリン類とは、紫外線にあたると肌にシミを作る(光毒性)原因となる物質で、柑橘類の精油の多くに含まれています。このフロクマリン類のため、多くの圧搾法で抽出した柑橘類の精油は肌に使う場合は、希釈した場合でも注意が必要となります。
 しかし、水蒸気蒸留法で抽出する精油の場合は、フロクマリン類をほとんど含みません。そのため、化粧品の基材として光毒性を心配せずに安心して使うことがきでます。

アブソリュート(有機溶剤抽出法)

有機溶剤抽出法

抽出率

蒸留法ではなかなか取り出すことができない精油を効率的に取り出すことができます。バラやハーブなど原料が貴重なものに使用されます。

熱履歴がない

40度以下の熱履歴で抽出することができ、熱に弱い香りを取り出すことができます。